2018年3月に開催したウェブセミナーで、メテオコントロールジャパン社の山時義孝氏に、データ分析のためのツール、効果的に導入するためのベストプラクティス、リスクを軽減するための戦略、日本のPV市場特有の条件に適合したOPEXの最適化などについてお話いただきました。

 メテオコントロール社はドイツに本社を持ち、世界的に活躍するPV遠隔監視システム企業です。同社は今までに43,000か所以上の発電所へ遠隔監視システムを導入した実績をもっています。また、遠隔監視ソリューション以外にも、テクニカルデューディリジェンス、コンサルティング、発電量予測、そしてO&M技術の提供なども行っています。

日本とヨーロッパにおける「モニタリング」の違い

 「日本におけるモニタリングは通常、発電量を視覚化し、必要に応じてにエラ―アラートを生成します。これによって発電容量と製品が機能しているかどうか評価をするための基盤が構築されます。一方、ヨーロッパにおけるモニタリングシステムは測定されたデータを分析し、発電量を評価するという方法をとっています。」

 「後者のタイプのモニタリングは供給されるエネルギーの量を示すだけでなく、収量が期待値を満たすかどうかを調べることが可能です。全体的にみると、日本のモニタリング形式はデータのさらなる分析が不足しているため、欧州のモデルほど完全ではないと結論づけることができます。メテオコントロール社のモニタリングシステムは、ポータルサイトはもちろん、発電量を評価する際に重要なソフトウェアとハードウェアを提供します。」

 ウェブセミナー開催中に「誰が実際にモニタリングシステムの選定をするのか」という投票形式の質問を投げかけたところ、セミナー参加者の53%が「EPC」と回答しました。しかしセミナーの最後に「誰がモニタリングシステムの選定に最も適しているのか」という質問では、参加者の60%が「O&Mサービスプロバイダー」が選定する方がよい、と回答をしました。

 「山時氏によればこの差は、実際にモニタリングシステムを利用するのはO&Mサービスプロバイダーか、アセット管理者であるのに対し、EPC業者が単にモニタリングシステムを購入している可能性があることが原因ではないかとのことです。したがって、O&Mサービスプロバイダーやアセット管理者は、EPC業者がそのプラントにたいし最も理想的なモニタリングシステムを選択できるようなプロセスを導くべきであると思います。」

「照射量」からの電力収率の評価

 「照射量は、まず初めに日射計またはウェザーステーションを介して収集されたデータを用いて測定する必要があります。山時氏によれば、このデータはリアルタイムのものを測定するべきであり、外挿された推定値を基にするべきではないと思います。そしてポータルサイトでは、現場で測定された実際の照射量を利用して期待される発電量を計算します。最後のステップは実際の発電量と予想発電量を比較します。」

大規模なポートフォリオの管理

「PVシステムからの大量のデータが豊富にあり、システムの最適化された概要が得られます。 山時氏によれば、パフォーマンスを測定するために不可欠なKPIは次の通りです。」

  • O&Mマネージャーの場合:

    • パフォーマンス比(PR)

    • オープンアラーム、特定の歩留まり

    • データ可用性

    • システムの可用性

  • アセットマネージャの場合:

    • メンテナンスの処理時間

    • オペレータの反応時間

    • 「資産」あたりの投資時間

    • ポートフォリオあたりのチケット(エラー)数

    • エラー統計

レポートは最後に関連する要素であり、その典型的なアプリケーションは次の要素で構成されます:

  • データ分析

  • 投資家向けの情報

  • O&Mのポートフォリオの概要

  • APIによる自動データ抽出

自動エラー検知の課題

 「システム内の膨大な量のデータによって、多くの情報エラーが発生する可能性があるとのことです。例えば、システムレベルのエラーは単にエラー理由を示すだけだったり、実際の原因はただ一つの文字列の中にあったりすることがあります。得られた情報はO&Mオペレータのために、メテオコントロール社から生成されたチケットに送られるべきです。」

「ビッグデータによるリスクアセスメントの観点からは、前述のチケットから統計を得ることができます。これらの統計は各プラントから集め、根本的な原因を特定するのに利用されるとともに、対応する期間に基づいて差別化/分類されます。」

メンテナンスプロセスを最適化する方法

 「アセットマネージャーとO&Mプロバイダーは、運用コストを最小限に抑えることを目指しています。例えばメテオコントロール社のシステムでは、特定の情報エラーのチケットに優先順位を付けることで、O&M全体のプロセスを最適化するのに役立ちます。エンジニアは、スマートフォンを使用して派遣されるように割り当てることができるので関係者間のコミュニケーションが容易になります。その後、エンジニアは現場で修理作業を行います。最後に、システムはスマートフォン装置を介してフィードバックを提供することもできます。」

システム出力係数(PR値)のモニタリングと設備保全管理システム(CMMS)との相互作用

 「システム出力係数(PR)とともに、設備保全管理システム(CMMS)、およびアセット管理システムはすべて、プラント管理に反映されます。」

 山時氏はこの3つのコンビネーションこそが理想的なモニタリングシステムであると述べ、講演を終えました。

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