調査:南野沙織
記事:マルセル・ランゴーン


日本のO&M市場について理解を深めるため、今回ソーラープラザは日本で活躍しているO&Mプロバイダー企業の、特に第三者が所有する発電所に対するO&M実績やサービス内容に焦点を当て、記事を作成した。

いまや世界各地で太陽光発電所のオペレーション&メンテナンス(O&M)がますます注目されている。 しかし、それぞれの国によって市場が全く異なるように、太陽光発電所へのO&Mサービスを提供している企業もそれぞれ異なったサービスを提供している。効果的なサービスを提供するためには現地にいることに加え、市場への理解が非常に重要であるため、複数の地域(国)もしくは市場で成功するO&Mサービスプロバイダー企業は数えられるほどしかいない。

日本の太陽光発電市場は海外から見ると特殊な構造である。しかし導入容量が世界でも高く、現時点で10kw以上の容量を持つ発電所は累計で32.4GWが導入されている国でもあり、これは事業用太陽光発電所向けのサービスを専門とする企業にとって大きなビジネスチャンスであることは間違いない。

 今回、ソーラープラザは日本で活躍しているO&Mプロバイダー企業に対し、自社所有の発電所のO&M実績数と、第三者が所有する発電所のO&M実績数に関する調査を行った。特に今回は第三者が所有する発電所に対するO&M実績数に焦点を当て記事を作成した。この調査から結論を出すのは簡単ではないが、調査で判明したデータや活動内容から興味深い発見をすることができた。



市場の分断化

日本における第三者の発電所へのO&Mサービス実績数は、トップ10企業合計で約750MWにのぼり、今までに日本で導入された太陽光発電所の容量の2.3%を占める数になる。他国の(日本よりも成熟した)PV市場全体の数値と比較すると、日本の市場の分断化の割合は比較的高い。

また、このランキングのトップ3社は各社がすでに100MW以上のO&Mポートフォリオを管理しており、3社合計の実績数は480MWを占める。


企業のタイプ

ランキング10社のうち6社は完全な日本企業である。他の3社(ソラリグジャパン、アドラーソーラーワークス、ネクストエナジー&リソース)は日本に本拠を置く外国企業か、もしくはjuwi自然電力オペレーション、ネクストエナジー&リソースとAlectris社(アレクトリスジャパン)のような、海外と合弁事業を行う日本企業である。


成長の機会

2017年の見通しについてトップ10社に調査を行ったところ、10社合計で860MWもの容量が受注される見通しであるという。この数字は現在10社がもつ合計実績容量の平均数の倍以上である。また7.3GWの容量が追加されるということを考えれば、860MWという数字はそのうち4.1%でしかない。言い換えれば日本の市場はまだまだO&Mプロバイダー企業が活躍できるチャンスがあるということでもあり、市場の統合化に向け、動き始めているということでもある。

今年度に最も成長が予測される企業は、O&Mのポートフォリオを5倍に増やすアドラー・ソーラーワークスだと予想される。アドラー・ソーラーワークスに続き、ソーラーフロンティア、りょうしんメンテナンスサービス、テクノケアの3企業もポートフォリオの規模が3倍になることを目指しており、トップ10内にランクインしている。

2017年度までにトップ10企業の予想導入量が達成されれば、来年のトップ10ランキングの順位は1位がソラリグジャパン(343MW)、2位がオムロンフィールドエンジニアリング(300MW)、3位がアドラーソーラーワークス(240MW)となり、特にアドラーソーラーワークスは7位から3位に上昇するため、大幅に変動することになる。


トップ10企業それぞれの特徴

このトップ10企業の半数以上が、平均で0.6MWから0.8MWの規模の産業用太陽光発電所にサービスを集中している。 しかしこれらの企業のうちの4社は、1MW以上のメガソーラーレベルに対するO&M実績を保有している。 特にソラリグジャパンは、平均するとそれぞれ7.2MWの規模の産業用発電所にO&Mサービスを提供している。

各社のO&M部門の従業員数に関しては、ソーラー・フロンティアとオムロンは明確なアウトライヤーである一方、これらのサービス・プロバイダーのほとんどは1名あたり2~5MWの従業員が充てられている一方、ソーラーフロンティアとオムロンフィールドエンジニアリングは、1名あたり10MWの従業員が充てられている。
企業の所在地については、10社のうち6社が東京あり、2社が大阪、1社が長野、1社が神奈川にある。
今回インタビューでは日本の太陽光市場で事業を展開するO&Mプロバイダー企業に、企業の持つ強みや知識についてインタビューを行った。それぞれの企業はO&Mサービスだけではなく、プロジェクト開発からプラントエンジニアリング、EPCやその他の分野に至るまで、多様なサービスを提供している。


オムロンフィールドエンジニアリング
オムロンフィールドエンジニアリング社はEPCからO&Mまでを行うフルサービスプロバイダー。同社が開発した独自ののアルゴリズムによるリモートモニタリングと専門技術員のダブルチェックによるO&Mサービスを提供している。同社の監視システムは接続箱単位での発電量計測でありながらストリングレベルの発電ロスが検出可能なことに加え、発電ロス 検出後の迅速な対応も可能で、太陽光発電所の安定した運用が保証される。全国140カ所に最寄り拠点があり、技術サポートの体制と仕組みをもっているため、想定外の現場トラブルに対しても早期復旧ができる体制を整えている。

ソラリグジャパン
Solarigは、開発から運用・保守点検までの充実したサービスを提供。同社は東京のモニタリングセンターを通じて遠隔監視を行い、全国の発電所に国際基準のO&Mサービスを提供している。

juwi自然電力オペレーションドイツの先行ノウハウと日本の環境・諸条件に精通した知識・技術等を掛け合わせたO&Mサービスを提供。遠隔地や現場でのメンテナンスなどの運用と監視の両方に特化したサービスプロバイダーで、メーカーとの取引実績に基づく機器保全のケアや、太陽光発電所の取引に関するコンサルティングを提供する追加診断サービスを提供している。 

エコライフエンジニアリング
エコライフエンジニアリングでは、予防保全と是正措置の両方のメンテナンスと、運用発電所の遠隔モニタリングを含めたトータルO&Mサービスを提供。緊急時には3時間で駆け付けることもでき、迅速な対応が可能。さらに、安定した運用のための報告やアドバイスの提供も行う。

ソーラーフロンティア
ソーラーフロンティアは、プロジェクト開発とO&Mに重点を置いたCIS PVモジュールメーカー。そのため、DC部のトラブルに強い。自社でのメガソーラー設計も可能。発電所所有者へのサービスとして検査およびトラブルシューティングを提供。同社は特に、国際的に標準化された制御テストを適用することによって確保される製品品質保証に重きを置いている。

ネクストエナジー&リソース
ネクストエナジー&リソースは、O&Mサービスプロバイダーであり自社開発の監視ソフトウェア「PVSAFETY」を提供している。障害や損失の予知と予防、最新の報告サービスと効率的な検査サービスなど、単なるメンテナンスだけにとどまらず、収益の最大化のためのサービスを提供している。同社は昨年、国際的O&M企業のAlectrisと共に合弁会社を設立した。

アドラーソーラーワークス
アドラーソーラーワークスは、エンジニアリングやコンサルティングサービスとO&Mを中心にフルサービスを提供。モバイルテストカーを使用した受け入れ検査、TDD手続きなどに集中したノウハウを持っており、お客様に最高品質のサービスを提供する事が可能。セカンダリー市場の経験も保有。

アンフィニ
アンフィニは開発、EPCおよびO&M活動に幅広く焦点を当てた日本国内に生産拠点を持つPVモジュールメーカー。モジュールに特化した年次点検を標準とし、モジュールメーカーのノウハウを活かしたデータ分析を行っている。O&M業務は大きく分けて監視業務・保守業務・駆付対応の3つ。同社のグローバル監視センターは、発電所の性能最適化の予防保守を可能にする。緊急時には迅速な対応が可能。

りょうしんメンテナンスサービス
りょうしんメンテナンスサービスは、遠隔監視モニタリング、定期的点検、防汚対策などをはじめとした、フルサービスのO&Mを提供するO&M企業。さらに検査ガイドラインの策定や推進、および太陽光発電所のメンテナンスに関する研修事業やセミナーの提供に積極的に取り組んでいる。テクニカルセンターを保有しており、事故サイトの復元・事故事例の検証などが可能。

テクノケア
テクノケアは、電力監視から定期的な発電所の点検およびメンテナンス(草刈り、モジュールの清掃、部品の修理および交換)までのさまざまなサービスを提供するO&M専門企業。全国対応、事業者向けの研修やフォーマット作成、制度や業界全般の情報提供が可能。今回のO&M実績数には掲載されていないが、分譲案件を含めると20MW以上のO&M実績を保有している。


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