2017年2月21日、ソーラープラザは無料ウェブセミナー「太陽光発電市場に関わる改正FIT法の解説と日本のO&M市場の動向」を開催しました。株式会社資源総合システム調査事業部長の貝塚泉氏と、GSSGソーラー事業本部長マーティン・メズマー氏をお迎えし、最新の日本の太陽光市場の規制動向と、O&Mの動向についてご講演いただきました。このウェブセミナーの録音音声と、講演者が使用したスライドをウェブサイトに掲載しておりますので、こちらからご自由にご覧ください。

  • 改正FIT法は太陽光発電の発展に大きな変革をもたらす

  • より厳しくなった認定制度と運転開始期限によって、認定済みの太陽光発電所およそ50MWが失効となる可能性がある。

  • O&M分野における新たな進展と改正FIT法が組み合わさることにより、山岳地帯の開発が実現的な代替手段となる可能性が高い。



日本の固定買取価格制度(FIT法)は2012年から開始され、太陽光発電所の開発が急増する一因となった。この傾向は2015年の10.8GWを超える導入までをピークに増えていく。

 
 


しかし、2016年5月、国会でFIT法の一部を改正する法律が可決された。この改正法は、運転開始期限を設けていなかったために発生した多くの太陽光発電所の未稼働案件を一掃することを目的としている。

今までのFIT法のルールでは運転開始までの期限を設けていなかったため、太陽光発電事業者の多くがFIT価格が高かった時期に急いで認定を取得し、その後プロジェクトを塩漬けにしていた。技術コストやシステムコストが下がるのを待ち、それによって過剰なインセンティブを得られる仕組みになっていたのである。

2016年9月に確認できたデータでは、認定された80GW以上の太陽光発電プロジェクトのうち、実際に稼働しているのはおよそ30GWということからも、今までのルールに問題があったことは明らかである。

改正FIT法のルールの下では、太陽光発電プロジェクトは事業計画の認定が必要になる。この認定プロセスの重要な部分は運転開始期限を新に導入したことだ。今までのFIT法では設備に対する認定を取得する形であったため、事業計画認定を得るよりもはるかに容易であった。

今回の改正FIT法にはFIT価格の引き下げや太陽光以外の再生可能エネルギーへの投資促進を目的とした「入札制度」も含まれている。 4月1日から2 MW以上のすべての事業用太陽光プロジェクトに対し、全国規模での入札制度が実施される。入札の上限価格は21円/ kWhである。

第1回目の入札は2017年10月に行われ、第1回目の検証後、2018年から半年ごとに実施される予定だ。

株式会社資源総合システムが改正FIT法の詳細に基づき推計したグラフでは、年間設備導入量は下方に推移し続け、2023年度には4.5MWまでに下がるが、その後は10年を通し安定した導入が続くと予測している。

株式会社資源総合システムによる年度別導入量の予測結果(現状成長ケース、導入進展ケース)

 
 

 

申請に関しては2017年1月20日以降は「ブラックアウト期間」となり、改正FIT法が4月1日に効力を発するまで、新しいルールの下での申請は不可能である。

架台にとって明るい未来が来る

多くの人が改正FIT法に対する考えを議論しているが、GSSGソーラーのマーティン氏は日本の太陽光発電業界の外観がどう変わるのか、独自の予測をしている。同氏によれば日本は火山島であるため、平坦な土地はほとんど無く、また、山地の造成にかかるコストが非常に高いため、FIT価格が下がることによって、これからは山地を造成することなく開発できる架台システムが注目されるのではないかと予想している。

日本で最も有望にも関わらず、最も利用されていない代替開発方法の1つが架台だ。
ソーラーシェアリングや水上太陽光発電所に対しては多くの開発がされているが、まだなかなか注目されていない。
しかし、2017年には太陽光発電システムのための国家規格である日本工業規格(JIS)8955が改訂され、地震・雪・風などの脅威にさらされやすい「外構」モジュールの設計に関する適切な設計基準が示される。

ドローンの利用に関しても、事業者にとってさらに魅力的なものとなる可能性を秘めている。例えば2メートルの雪が積もることもある山岳地帯では、運用にかかる人件費は膨大になる。しかしドローンを利用し、ドローンの機動性と自動監視を組み合わせることで間接費を大幅にカットできるため、運用コストと管理コストの両方を削減することが可能になる。

マーティン氏が予想するもう一つの未来は、ポートフォリオの集約化の進展だ。改正FIT法では2MWを超える太陽光発電所に対し入札制度と、より厳しい認定制度を適用するため、企業は小規模の発電所のプロジェクトの建設を開始し、それらの発電所発電所(ポートフォリオ)を集約することが主流になるのではないかと予想している。


太陽光発電に係る改正FIT法やO&M、アセットマネジメントのトピックについてより知識を深めたい方は、日本で唯一、太陽光発電ポートフォリオの運用段階について焦点を当てたカンファレンス「ソーラーアセットマネジメントアジア2017」(2017年6月8-9日・第3回目・東京開催)へぜひご参加ください。

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